ヨーロッパ側に戻って軽く食事を済ませた後、
トルコ風呂(ハマムと言うらしい)に向かった。
トルコのトルコ風呂は”健全”である。
なのに、いざ店の前まで来て見ると、入店を決めかねて逡巡してしまった。
経験、或いは危険を避ける知恵がそうさせるのか。
なぜならカード類も携帯も持ったままだ。
明らかに不審者に見えたであろうが、入り口の前をウロウロとしていると、
欧米人のグループが入店しようとしていたので、
それに便乗するかたちで突撃する事にした。
入店すると個室更衣室の鍵をもらい、
そこで服を脱ぎ、貴重品は念のため外から見えないようにして置き、
腰に専用の布を巻いて、浴場に向かう。
ハマムのシステムに関しては全く予備知識はなかった。
聞こうにも、店内のスタッフの多くは英語を話せないようだ。
だが、『どうしたらええんやろ?』と言った感じでキョロキョロしていると、
『何してる、こっちこっち!』と言った風に、
時には手を引いて、時には追い払われるようにして、次のステップへと導いてくれた。
浴場では毛深いおっちゃん(トルコ人にしては普通か)が全身の垢すりと洗髪、
それに加えてマッサージ&整体もどきの事をしてくれる。
しかし、この手のマッサージ&整体は力任せにやるので、痛い。
痛気持ち良い加減を望むのは、無理な話か。
ソウルでの垢すりもそうだった。
地元民が通うハマムではなく、観光客向けの所だったので、
さもありなんと言ったところだ。
おっちゃんの仕事はあっと言う間に終わり、「えっ、もう終わり?」と聞くと、
「終わって着替えても良いし、ここに居ても良いし、好きにしろ」と。
なので、浴場の中央にある、熱せられた大理石の台の上でしばらく寝ていると、
岩盤浴みたいに身体が温まって来て、疲れが取れた気がした。
帰り際、おっちゃんはチップを要求してきたが、流石にあの仕事っぷりではスルーやな…。
汗をかくとお腹が空く。
折角なので、トルコのスイーツが良いなと思い、パイの蜂蜜漬けを食べた。
美味しい。そして甘い。
ハマムのマッサージに引けを取らない、力強い甘さだ。
蜂蜜の甘さなので、しつこい感じはないが。
店の外はまだ人通りは多い。
だが時刻は11時を回ろうとしていた。
明日も早いので帰路につき、ホテルに向かって歩いていると、
バルセロナから来たと言う若僧が話しかけて来た。
この界隈は飲食店などが密集し賑やかなエリアで、
地元民、観光客の別なく良く話し掛けられた。
「ところで、ツナミは大丈夫だった?」
トルコに来て、地震の事を聞かれたのは初めてたっだ。
「この辺りで、面白いところ知らない?」と聞いてくるので、
この先にハマムがあるから行ってみらた?と答えると、
「うーん、ハマムはいいや。」
↓は、実際に行ったチェンベルリタシュ・ハマム
https://www.cemberlitashamami.com/
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