デニズリのオトガルでは、
まずイズミール行きのチケットを購入するよう言われていたので、
予約してあるメトロ社のカウンターを目指した。
しかし、オトガルが広くなかなか見つけられなかった。
オトガル構内には放し飼いの犬が2~3匹いて、少し怖かった。
やっとカウンターを見つけ、スタッフに声を掛けた。
「あの、イズミール行きを予約している○○ですけど…。」
カッパドキアの時のようにすんなり行くと、高をくくっていた。
スタッフはちょっと怪訝そうに、もう一人の、少し英語を話せるらしいスタッフを呼んできた。
最初から説明しなおして、今乗って来たバスの搭乗券を見せて、「名前はコレです」と。
スタッフはコンピュータをいじっているが、見つけられないようだ。
予約をした時にツアーデスクの人から、
「チケット受け取りの際は名前とシートナンバーを伝えてください」と言われていた。
なので「シートナンバーは13です」と言ったものの、
“seat”と言う単語が通じていないようだ。
仕方なく「シート、シート!」と言いながら、椅子にすわるジェスチャーをした。
スタッフも、分かった、分かったと言った素振りを見せ、意思の疎通が図られたかと思った。
両者の間に安堵の空気が流れたが、
それをつんざくように、「では、イズミールまで、20トルコリラです」と。
予約時には15トルコリラと聞かされていた。
『もう、それで良いか』と言う思いが一瞬よぎったが、
「15トルコリラと聞いていたんですけど?」と
もう一度、搭乗券を指差しながら、指摘してみた。
「あー、あった、あった」と、コンピュータ画面に自分の名前があったらしい。
なんとか無事に発券された。
荷物の方は快く預かってくれた。
去り際に「テシェッキュレデリム」と言うと、
スタッフ達は驚いたように、トルコ語で返答の言葉をかけてくれた。
トルコ語の”ありがとう”は難しい、と言うか音節が多いと思う。
最初の頃は上手く言えなかったが、この頃になると上手に言える様になった。
身軽になって、パムッカレまで向かうミニバスに乗車した。
ミニバスの乗客は自分一人だけで、ある程度乗客が集まるまで待つと思いきや、
おもむろに発車した。
『これで採算取れるのか?』などと、いらぬ心配はまったくの杞憂で、
途中の停留所で地元の人が次々と乗車して来て、
立ち乗りの人もいるくらいの込み具合になった。
観光客用のものではなく、パムッカレで働く人の通勤の足にもなっているようだ。
途中、雨が激しく振る場面があったが、
『パムッカレへようこそ』と書かれていると思われる看板を過ぎた頃には、ほぼ止んでいた。
商店が何軒か並んでいる所で車は止まり、
運転手が「ここで降りろ」と言うような合図を送ってきたので、車を降りた。
『もう少し近くまで行けたんちゃうん?」と思いながらも、
坂道を1分程登ると、パムッカレの白い台地が見えて来た。
コメント