海沿いに建つそのホテルは、
こじんまりとしているが、清潔で、随所に品格を感じさせる佇まいだった。
長い歴史を重ねて来たのだろう。
エレベーターの扉が手動であるのも老舗の証か。
http://www.kilimotel.com.tr/
部屋はリクエスト通り海側の部屋だった。
窓からエーゲ海を眺めると、残照の中に数隻の船が航行するのが見えた。
街の明かりが灯り初めていた。
緩やかに弧を描く海岸線が湾を包み込むようにどこまでも続く様は
エジプトのアレクサンドリアを彷彿とさせた。
部屋で一息ついてから、海沿いのエリアを散策した。
このあたりの雰囲気は、横浜の山下公園界隈に少し似ているだろうか。
岸壁に沿って遊歩道と芝生の公園がどこまでも続いている。
ただ横幅は山下公園の1/10、長さは10倍以上はあるだろうか。細長い。
そして公園を挟んだ海と反対側、公園に沿ってビルが立ち並んでおり、
殆ど全てのビルの1階はレストランになっているようだ。
オープンテラスの席からは、心地の良いざわめきと、良い匂いが漂ってくる。
そのような景色が延々と続いている。始まりと終わりが見えない。
レストランの何軒かは岸壁の際にテーブルを並べていて、
オープンカフェになっているところもある。
自分の好きな雰囲気である。
水辺の風景には何故心惹かれるのだろうか。
今度トルコに来ることがあったら、エーゲ海沿岸の都市でゆっくりしたいと思った。
イズミールを起点に、エフェスやトロイを巡っても良いし、
アンタルヤのようなリゾート地で何もせずにすごすのも捨てがたい。
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